第1章 変化
回想 及川side
久しぶりの休みに美鈴先輩をデートに誘った。
去年までと違って、学校で毎日会えるわけじゃないから。久々のデートに浮かれていた。そのせいもあって、約束の時間より早く待ち合わせ場所に着いてしまった。
(ヤバイ、絶対ヤバイ!女の子に囲まれちゃうじゃん!)
案の定、俺は、女の子達に囲まれてしまった。
「1人ですか??」「青城の及川さんですよね?」
「一緒に写真撮ってください」「キャー!」「及川く~ん」
(どうしよう・・・かな~?)
俺は笑顔を絶やさないようにしつつも、内心は困り果てていた。
(う~、先輩、来ちゃうって!)
キャーキャー言う女の子達の隙間から、チラリと歩く美鈴先輩の姿が見えた。
「ちょっ、ゴメンね。待ち合わせの相手来たから!」
女の子達に謝って、彼女達を掻き分け、先輩の元へ走る。
「美鈴!」
「ビクッ!」
先輩が驚いたのがわかる。まあ、こんな所で名前、呼び捨てしちゃったから☆
「ふぅ~、ゴメン。女の子に囲まれちゃって・・・(ノ∀`)」
「・・・いつも通りだね~、及川君」
「スミマセン」
「別に平気だよ?及川君が人気あるのは知ってるし」
ニッコリと笑う先輩。うわぁ、可愛っ!
「・・・・・////」
「それで、どこへ連れて行ってくれるのかな?」
「あっ、うん。まだ秘密☆で、先輩、どうぞ」
「えっ?」
俺は腕を差し出す。つまり、腕を組もうって事☆
「嫌?」
「ううん。いいの?」
「もっちろん!エスコートするつもりなんだから☆」
「クスッ 頼もしいね」
先輩が俺の腕に腕を絡ませてくる。あっ、そういえば、これだけ密着してると必然に、先輩の胸、当たってるんですが(^^ゞまっ、いっか。デートの後、ゆっくりイチャイチャさせてもらおう♪
俺は先輩をエスコートし、アウトレットモールへ
色々、お店を見て回る。
「先輩、何か欲しい物とか?」
「ううん、特には・・・」
一緒に回るんだけど・・・先輩はワガママ一つ言わない。ちょっとぐらいワガママ言って欲しい。
「?」
先輩の視線があるお店に止まる。何か見つけたのかな。
「えっと、あそこのお店、行ってみたいけど、いいかな?」
「うん♪もっちろん☆」
先輩が指差したのは雑貨屋さん。何か見たいものでもあるのかな?