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たんでき

第1章 耽けて溺れる





「光忠…好き。大好き。」
「キミって…こういう時だけ本当に素直だよね。可愛いなぁ」

情事の後の甘ったるい時間。僕も終わった後はくっついてイチャイチャしたいクチだからこの時間は堪らなく好きなんだけど。
僕の鎖骨に頬を擦りつけて…いや、それどころか全身に全身を摺り寄せてくる。もちろん全裸で。更に好き好きと舌足らずな甘えた声で告げてくるものだから…またしたくなってしまっても僕に罪はないはず…だよね?

「イッた後って、頭がふわふわするの…光忠が、好きってしか、考えられないの。光忠大好き。」
「………(これ、我慢しなきゃダメかな…)」
「光忠とするの好き。気持ちいいし、絶対いかせてくれるから、好き。」
「…うーん、誘ったのはナマエちゃんだからね?」
「や~…眠い~…にゃー」

我慢を諦めてぎゅーっと抱きしめると、ぎゅーに合わせて猫のような鳴き声が上がった。
夜の帳も完全に降りて、さっきまで賑やかだった本丸の広間からの喧騒も鳴りを潜めている、そんな時刻に。僕の愛しい主は…ナマエちゃんは、ようやくその重責から解放される。
時刻だけじゃない、ちゃんとこうして上手に歯止めを外してあげないとナマエちゃんは誰の前でも、僕の前でも気を緩める事ができない。
その事に気づいたのは僕が近侍になってからしばらくしてのことだったわけだけど。
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