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消えない罪

第1章 失ったモノ


椅子の上に乗り手を伸ばして本をとろうとした途端、バランスを崩して床に転んでしまう
と同時に本がバサバサと落ちる


『ど、どうしよ…とりあえず拾わないと』


一冊一冊、拾っていくと本の隙間から何かが落ちた
どうやら写真のようだ
はその写真を見て驚きを隠せなかった
そこに写っていたのは千秋と悠の写真が写っていた
肩を並んでピースをしている
裏には『20XX年 千秋と』と書かれている


『どうして兄さんとの写真があるの?
どういうこと?
この写真…10年前の写真?
そんな話、聞いたことない』


写真に驚きを隠せないでいると玄関から音が聞こえた
どうやら店から戻ってきたようだ
手には写真が握られている


「ただいm…君?」
『…すいません、本を取ろうとしたら落としてしまって
あのこれ、落ちましたよ』
「あ、ありがと…怪我はないか?」
『大丈夫です』


写真を悠に返す
結局怖くて聞けなかった
なんで兄さんと写ってるのって…
聞いてしまったら何かが壊れるような気がして
そのまま沈黙が続く
いてもいられなかったは恐る恐る悠を見る


「怪我がなくてよかった
起き上がれるか?」
『はい。あの…悠さん?』
「?どうかした?」
『あの、少しだけここにいてもいいですか?
まだ兄を失ったことに立ち直れてなくて
時間はかかるかもしれないですけど他に行く宛もなくて
お願いします』
「オレでよければここにいるといい
辛くなったらいつでも言え
受け止めてやるから
これ、読みたかったんだろ?
それと手作りのおにぎり食べてくれ
簡単に作ったから」
『わかりました、ありがとうございます
あの小説、できてるところまで読んだんですけどすごくいい作品ですよ
自信持ってください』
「ありがとうな」


ソファに座り軽く昼食をとりながら暗くなるまで本を読み続けた

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