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消えない罪

第1章 失ったモノ


朝6時、いつもより早く目覚めたはベッドから起き上がる


『あれ?ここは…そっか
兄さんを失ってここに一晩過ごしたんだった
挨拶しないとダメだよね』


リビングに繫がる廊下を歩きリビングに入るとソファで寝ている悠を見かける
挨拶しようにも邪魔したらいけないと思いせめてお礼を込めてとキッチンを借り朝食を作ることにした
朝食はトーストとトマトスープと色とりどりのフルーツ
手短に済ませソファで眠っている悠の肩を揺すり起こす


『悠さん、起きてください
朝食できてますよ』
「ん…もうこんな時間か、早いな
美味しそうだな」
『簡単なものですが…』
「いや、それだけで十分だ
うん、トーストの焼き加減もスープも美味しいな
誰かと食事するのも久しぶりだな」


美味しそうに食べる悠には嬉しさを感じながら朝食を摂る
食べ終わり食器を片付け部屋の中で一時の時間を過ごす


『あの…たくさん本があるんですね
読んでもいいですか?』
「あぁ、好きなだけ読んでいいよ
少し店の手伝いしてくるからここで待ってろ
昼前には帰ってくるから」
『わかりました
…あの、すぐ帰ってきますよね?』
「近くだから終わったらすぐ帰ってくるよ
だから心配するな」


千秋を失ったはまた誰かを失うんじゃないかと不安になっている
そんな彼の様子を察しし悠は彼の頭を優しく撫で玄関を出て自分の店に向かう
出て行ったのを見届け、本棚を見つめる


『たくさん本があるんだなぁ
作家ってたくさん本があるって聞いてたけど本当だったんだ
あっ、恋愛小説や少女マンガがある
どれを読もうかな』


一冊ずつタイトルを読んでいくと気になる本を見つけた
有名な作家で自身も何度も読みたがっていた本だ
本の位置は自分の背より高いところにあるため何かに乗らないと取れない
仕方なくリビングから椅子を引き手を伸ばす
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