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消えない罪

第1章 失ったモノ


それから数分が経ちバイブが鳴った
そこには「病院の前で待ってて。逢わせたい人がいるから」という内容だった
すでに病院の前にいたは紘夢たちを待つことにした


それから数分足らずで後ろから人の気配を感じた
振り向くと明るい茶髪だがおでこあたりと腕に包帯を巻いてる見知らぬ男性と紘夢がかけつけてきた


『ヒロ…と…こんばんは?』
「こんばんは…」
「ゴメン、。俺このあと明日のことで準備しないといけないからさ」
『えっ?なら俺も明日の準備しなきゃいけないんじゃ…』
「いや、まだ不安定な状態になってるでしょ?
それにこの人、怪我してるけど一晩過ごす場所が必要でしょ?
だからなにかあったらこの人に言って
じゃ、俺行くから」


紘夢は停めてあったタクシーを呼びと青年を車に乗せる


「お客様、行き先は?」
「高槻の秋桜荘までお願いします」
「わかりました」


青年の言葉でタクシーの運転手は静かに車を走らせる
沈黙が続く中声を発したのは青年だった


「…その小説…」
『あっ、これですか?初恋物語というタイトルの小説です
まだ途中までしか読んでないですけどいい小説ですよね』
「そうか、その小説オレが書いてるんだ
気に入ってくれるといいんだけど
アイツにも…見せたかったな」


そう言って青年は一筋の涙を零した
その涙を見ての心臓はドキリとなる
この人も自分と同じ、誰かを失ったんだなとは思う
でもまさかこの人と自分の兄とのあいだに関係があったということはでさえ知らない
運命って本当に…時には残酷だなと思わせるものだ
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