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消えない罪

第1章 失ったモノ


病院に着き急いでナースステーションに向かう


『あの!榊原千秋の家族ですが、兄の…榊原千秋の部屋はどこですか?』
「榊原様なら202号室です」
『わかりました』


部屋の番号がわかり病院マップを見てヒロとエレベーターで2階に向かう
エレベーターを降りて203号室に向かう
その中に入ると数人の医師、そして顔に毛布をかけられている兄の姿だった


「精一杯尽くしたんですが…」


医師の言葉に現実なんだと思い知らされる
泣きたいはずなのに涙は出てこなかった
明日にはまたあの笑顔で自分に向けてくれるって信じているから
今のにとっては現実を受け入れられない状況になっていた
顔を俯き視線を逸らしているの隣で紘夢はある人物のことが気になっていた


「…、ちょっと人に逢ってくる」
「では私は家族であるあなたに彼が運ばれた経緯を知っている限り話しましょう
ここではあれなので別室で話しましょう
あとはお願いします」


は看護師に一礼し部屋を出る
医師に案内され着いたのは落ち着いた雰囲気の部屋だった


「そちらの席におかけください」
『はい…それで一体兄の身に何が…』
「詳しくはわからないんですが数時間前に事故に巻き込まれこちらの病院に運ばれてきたんです
状況からすると事故の原因は雪による車のスリップ事故
運ばれた当初は意識があったんですが急に意識をなくしたみたいで
残念ですが…」
『そうですか』


部屋から出り携帯を開くと紘夢から連絡が来ていた
内容は通夜が明日行われるということだった
今晩を過ごす場所がない彼は「どこで一晩過ごしたらいい?」と返信し連絡を待った

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