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【黒バス】ああっ君は女神様!

第10章 緑間視点


試合は負けたが、向こうのベンチに座る板井野は俯いている。
そんな扱いを甘んじる必要はない。
負傷者は、出ていなかったのだ。
敗因は俺がエースとしてチームをひっぱる事が出来なった事が敗因だ。
まだまだ俺は力不足であると痛感する。


だがしかし、板井野はどうなのだ。
途中から、俯いたままだった。
試合が終れば、板井野を肉便器と言った男から後ろから抱きつかれた。
そして嫌そうに顔を顰めたを俺は見逃さなかった。
さらに言えば、もう1人の男が前から板井野に何かしているのが見えた。

やはり我慢してあそこにいるのだ。
可哀想だと思った。

高尾から、肉便器と公衆便所の意味を問いただす。
意味を聞けば、いても立ってもいられなくなり、好代を探した。

手洗い場に入る板井野を見かけたので、待っていた。
そう、霧崎が嫌だと言いさえすれば、俺も手助けができる。そんな方法ではなくもっといい方法があるはずだ。
負傷者を出したくないという思いから霧崎に従う必要も無い。

「何か用でもあるんですか?緑間君」

声をかければ、まったく暗い様子を見せず、むしろ明るい声を返される。
言葉にするにも汚らわしい暴言を言われているというのに。

「何故、霧崎の連中に暴言を言われるのを受け入れているのだよ?事実ではないのだろう?」
「え、暴言て何の事ですか?」

白々しいことを。

「肉便器、公衆便所、直接的に言えば分かるか?」
「……別に、事実ではないですから」
「事実でなければいいというのか、何故受けれているのだよ!」
「…………まあ、こっちにも事情ってものが、あるので。……気にしないでください」

言いにくそうに、顔を背ける。
やはり、お前は無理をしている。

「お前は満足しているのか?」
「満足なんて、できるわけないじゃないですか」

寂しそうな顔で即答する板井野に胸が痛む。
この大会霧崎は負傷者を出していない。
そうだというのに、この程度では満足できないというのだ。
俺もお前の力になってやりたい。

「俺はお前の力になれないか」
「気持ちは嬉しいですけど、緑間君には無理だと思います」

俺では無理。
確かに、俺では力不足かもしれない。
今日、霧崎に負けた男だ。頼りないと思われても仕方ない。
何かを思うような板井野が気になる。

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