第7章 まさかのマネージャー就任
警備員さんに話し(既に花宮が話を通していたようで快く入れてもらった)、バスケ部のいる体育館へと向かう。
私服では目立つだろうと、なんちゃって制服を着てきたおかげでそれほど人目についていない。
変に目立っても恥ずかしいし。
て、いうか。
他校の生徒がマネージャーとかしてもいいのか。
期待とは裏腹に、霧崎の皆は私に手を上げなかった。
なんだぁ。
そんなわけで、自分で付けた痣があるくらい。
だからか、あの日、私の腹に一発いれてきた花宮を見てしまう。
しかしながら世の中は甘くなく、あの日のようなご褒美はくれない。
しっかりしろ、私。
全うな人間になるのだ。
自分でやる以外は駄目だろ!!
そんなわけで、自分で殴られたい欲望を満たす日々が続いている。
うん、健全。
え、健全じゃない?
そんなことないし!!
お腹とか中心に痣が出来ている。
ハンマーで殴るという行為も最近ではしている。
加減が難しいけど。
ガチで入ると、しばらくは動けないほどの満足感を得る。
が、代償のケガが問題あるので、加減している。
上から物を落とすより的確に、場所を狙えるのはいい。
もっぱら最近はハンマー愛だ。
で、霧崎の連中といえば、密かにチェックを入れてた古橋を筆頭に、みんな割と普通。
そう試合で悪さをする以外は、まあ普通の高校生だ。
ちょっと意外だけど。
でも、あれだ。
口は悪い。
原とか、古橋とか、失礼なことをバンバン言ってくる。
そのたびに顔を赤らめる山崎はなんてピュアなのかと、可愛く思えてしまうくらいだ。
その中で私は駄目女だなって、ため息が漏れる。
いやいやいや。
他の人だって人前で出さないだけで酷い性癖の持ち主かもしれない。
たとえばすごい臭いフェチとか!
ナポレオンみたいに!!
ま、こんなどうでもいい事を考えながら、マネージャーという名の雑用を日々こなしている。
体育館の清掃に、ドリンク作り、洗濯。
もくもくと作業をこなしている。
ちなみに報酬はあるのかという、微妙。
たまにガムをくれたり、飲み物をくれるくらい。
ただのボランティアだ。
殴ってくれてもいいのよ、と思いながら花宮をちらっと見る。
そのたびに自重しろ自分と、戒める日々が続いている。