第6章 木吉視点
しばしば好代と会うようになった。
いつ会っても、好代は顔に包帯を巻いている。
足の方もリハビリをがんばっているようだ。
俺と会うたびに、どんどん治ってきているような気がした。
ぎこちなさを感じない、歩きに明るい声。
酷い目にあったっていうのに。
好代の強さを感じる。
自分も見習わなくては。
ある日、好代からどうして怪我をしたのか聞かれた。
今まで自分が何故、入院しているのか話したことは無かった。
隠すことでもない。
正直に話した。
バスケの試合中に怪我したって。
少しだけ、しんみりしてしまった空気になる。
好代はそれを気遣ってくれたのか、自分の怪我した訳を話し出した。
それは、好代の優しさが感じられる話だった。
俺は本当は知っていたんだ。
初めにあった時は知らなかったけど。
好代が帝光中の生徒だって事。
そしてあのキセキの世代って呼ばれてる青峰や灰崎と付き合っていたって事を。
暴走しがちな2人を止めるだけの、存在だったと噂されているが、そんな酷い目にあっているとは思いたくなかった。
そんな酷い話があるか!
今回の好代の怪我は、帝光中に負けた奴の恨みが積み重なった結果だと、囁かれている。
きっとそれは事実だ。