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【黒バス】ああっ君は女神様!

第5章 考えをちょっと改めた入院生活



包帯を取る前日。
すでに顔の手術は終わった。
あとは、どうなっているのか、明日分かる。
先生は太鼓判を押してくれている。

大丈夫なはずだ。

木吉と2人で屋上にいた。
風が少しだけ身体を冷やす。
ちょっとセンチメンタリズムな気分になっている私。

だってちゃんと綺麗になったのか知るのが恐いよ。

唯一の長所がなくなってしまったら、どうしたらいいの。
ただの変態になってしまうじゃないか。

私が震えているのに気づいた木吉は、自分が着ていた上着を掛けてくれた。

「大丈夫だ。絶対綺麗になってるぞ」
「そんな、わかんないじゃないですか。残ってるかもしれないし」
「たとえ残ってたって好代は綺麗だ、安心しろ」
「何言って、私の顔見たことも無いくせに」
「見たことなくても、お前は綺麗だって思う。だから……」


言いながら、抱きしめられた。
なんだか安心する。
こんなお父さんが居てくれたらって思う。
不安な時に安心させてくれるような存在。

「お前のこと、俺は好きだ……たとえ、どんな顔してても」
「…………」

なんだが心が温かくなる。
こんな無条件で私を好きだと言ってくれる存在がいた?
どうしようもない私なのに。
明日への恐怖と、安心感で涙が出てくる。

木吉の服を濡らしたけど、大きな手で優しく背中を撫でてくれていた。
困ったな。

止まらない涙。
私を安心させようとする穏やかな声。
大きな手。

木吉のこと、好きかもしれない。





翌日、私は包帯を取った。
見覚えのある、顔だ。
傷ひとつ無い。
手で触れて確認すれば、鏡の中の自分もそうしてた。
嬉しくて、涙があふれた。
私の唯一の長所よ、おかえり。


木吉にも見せに行かなくちゃ。
それで、昨日の返事、をしないと。

こ、告白されたのって初めてくらいだから緊張するな。


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