第5章 考えをちょっと改めた入院生活
どうしたの?って聞いたら、普通に応えてくれた。
いや、ちょっと口ごもっていたけど。
嫌な事を言わせてしまったことに罪悪感に駆られ、私も自分が怪我をしたどうしようもない理由を話した。
向こうは噂で多少知ってたみたいだけど。
痛ましげな表情をされた。
そんなに対したことではないのよ!
「でも、鉄平君とは違うわ」
「何が違うんだ?」
「別に対したことではないですし。鉄平君に比べたら」
「…………好代」
なんか最近微妙にいい感じになるんだよね。
木吉と。
今の私は何もされずとも痛みを感じられる素晴らしい状態であるだけに、目の前のまったく暴力を振るいそうにない優しげな男でも満たされるのだ。
たぶん怪我が治ったら木吉に不満を抱くようになるんだろうなって思う。
だからこの、ちょっといい感じな関係は病院の中だけになるだろう。
よく考えてみたら私この世界に着てから男が途絶えていないかも。
うひょー、なんか自分がいい女な感じしてきた!
「なんか嬉しそうだな、好代」
「……別に」
顔がにやけちゃった恥ずかしい。
そしてエリカ様を意識したわけじゃないんだからね!