第4章 青峰視点
それからはまた、何も楽しくないバスケが続いた。
そんな気持ちだったせいか、追試に引っかかった。
さつきにはこっぴどく叱られ、でもこれでバスケをしなくてもいいかと思うと少しだけ胸が軽くなる。
なんであんなに楽しかったバスケがこんなに詰まらなくなってしまったんだろう。
だるい気持ちで追試の行われる教室に行く。
俺の他にもちらほらと人がいた。
最近の俺といえば、クラスメイトからも若干遠巻きにされるくらい、荒んだ目をしていた。
元々、肌の色が黒くて背もでかいから威圧感があったようだ。
さらに目つきが厳しくなったために、ちょっと恐がられている。
教室に板井野が入ってきたのを見て、正直驚いた。
あんな見た目だが、成績を落としたことは無かった板井野だったから。
なんで板井野の成績を知っているのかといえば、緑間が口にしているを聞いたからだ。
緑間とは成績が近いらしい。
だから驚いて、そして声を掛けてしまった。
声をかけるつもりはなかったのに。
声を掛けられたせいか、板井野は俺の近くに腰を下ろした。
なんだが、甘い匂いが鼻を刺激して、しまったって思った。
何か話さないとと思ったが、上手く口が回らない。
怪我大丈夫かとか、こう何でも話題はあるのに。
しばらく無言が続いて、板井野が口を開いた。
それは、誘いの言葉だった。
真正面から言われた言葉に逆らえるわけなく、俺は首を縦にふる。