第4章 青峰視点
その後、板井野の激変は灰崎と付き合い始めたのが原因だと、さつきから聞いた。
灰崎といえば、同じバスケ部で俺と同じように一年で一軍に選ばれたメンツの一人だった。
入部試験の時にはいなかったが、入ってすぐに一軍に入っただけあって、灰崎はバスケが上手かった。
まあ、俺には劣るけど。
それに灰崎は俺と違って、バスケだけしてる訳じゃない。
部活をサボるし、居残って練習とかは絶対しないタイプ。
その時間で板井野と遊んでいるんだろうか。
女の子は不良に憧れることがあるんだよと、さつきは言っていた。
板井野もそうなんだろうか。
それとも、元々ああいう奴だったのかと、俺は考えていた。
中学に入学するから、大人しい格好にしてきたのかと思った。
緑間なんかは、板井野に目を付けていた。
それはテストで赤司と緑間の間に板井野がいつもいるからだ。
成績はいまだに落ちていなかった。
化粧をしているけど、制服はそんなに着崩していない。
むしろ、肌はあんまり露出させていない奴だ。
あんな化粧してるんだから、もっとスカートを短くしたりとか、シャツのボタンを空けるとかしてもいいじゃないかと、遠目に思った。
彼氏彼女っていうのにちょっと興味があって、灰崎に話を聞いてみたが、お前だって桃井がいるじゃないかと言われ、はぐらかされた。
不本意なことに、ただの幼馴染のさつきと俺が付き合っているとよく思われている。
もちろんそれは間違いだけど。
訂正しても、そう思われていないことが多い。
これもさつきの奴が俺にお節介を焼いてくるのが原因だ。
あいつはそんなんじゃねぇって言ってんのにな。
板井野もそんな風に思っているだろうか。
それだとしたら、少し嫌だ。
なぜだが、気になっていた。
少し冷めた顔に魅かれたのかもしれない。
でも板井野はマイちゃんみたいにオッパイがないし、気のせいだろう。