第4章 青峰視点
板井野好代。
クラスの中にいた女の中で人目を引いていた。
涼しげな整った顔立ちで、新入生代表の1人でもあったから優秀なんだなって思った。
先生からの覚えも目出度い。
俺とは違うタイプの女だって思ってた。
新入生代表っていうのと顔で結構目立っていたけど、本人は静かなもんだった。
そんな板井野が豹変したのは6月に入ったくらい。
つやつやした綺麗な黒髪を脱色させて、濃い化粧で学校に来たのだ。
俺はびっくりして声を掛けた。
どうしたんだよって。
だって気になるだろう。
生徒の鏡みたいな女が急に豹変したんだから。
心配したというよりは、驚きの方が大きかった。
板井野とは話をしたこともなかったし。
「別に」
と、帰されたときは、拒絶されたと思った。
冷たい目をしていたから。
だけど、直後にくすっていう感じで笑ったから、なんだコイツって感じだった。