第3章 非生産的な生活と私の過去
黒子が口を開く。
「ケガの調子はどうですか?」
「別に、でも祥吾君も気にしすぎかなって思う」
「そうですか、でも良かったですね」
「え、何が?」
「お土産持ってきたんです。アイスなので早く食べたほうがいいですよ」
そういってゴリゴリ君を差し出す黒子。
まあ、アイスじゃ早く食べないとな。
「…………」
「…………」
2人してシャリシャリとアイスを頬張る。
差し入れくれるなんて心友とは大違いだけど。
夏だし、アイスは美味しい。
口の中が切れていたので、沁みたのもいい。
だけど、黒子の良かったですねという言葉が気になってしまった。
結局聞くに聞けず、そのまま帰られた。
夏休みなんてあっという間に終わってしまった。
しかし、勉強してない、すぐにテストだと思うと憂鬱だ。
終業式の前から入院していた私は、ちょっと他のみんなより出遅れていると思う。
心友からノートは借りたけど。
そして、まあ前の世界の記憶あるし、中学生くらいのテストなら余裕っしょって思っていた自分は愚か者だ。
見事に追試に引っかかりました。
畜生!もっと勉強しておくんだった。
これでは素行不良で尚且つ成績も悪い、ただの馬鹿になってしまうじゃないか!
追試は何としても好成績を収めなければ!という使命感にかられて私は望むことにした。