第2章 灰崎視点
俺が好代を常に雑に扱っていたが、それが崩れたのは2年に入ってからだ。
まあ、中学生らしく性に興味もあった。
年上の女とはした事があったが、同い年としたことはまだ無かった。
まだ胸もないし、魅力を感じない。
でも、年長の知り合いに中学生に手を出せるのは今だけ、もったいないと言われたから好代としてみることにした。
そのころになれば、好代はすっかり優等生らしさは無く、派手な格好が板についてもう教師も何も言わなくなっていた。
成績はいまだに上位だったみたいだけど。
おざなりに抱いた。
そんなに好代の身体に興味があったわけじゃない。
ただ中学生というブランド?のためだ。
予想とはちがい好代は処女だった。
入れるまでは経験が無いとは思わなかった。
どことなく手馴れていると感じたから。
いつもシてる年上の女みたいに。
終わってみれば血が出ていて、驚いた。
好代はなんとも言えないような顔をしていた。
俺は行為が終わった後に好代がため息をついているのを聞いてしまった。
その時俺は気づいた。
好代の身体が痣だらけだということに。
酷いもんだった。
女だっていうのに、こんなに。
これをつけたのは俺だと思うとぞっとした。
心の中に何かが湧き上がってきた。
それから俺は好代に手を上げる事をしなくなった。
自分のしていた事だって言うのに、見てしまったら恐くなった。
なぜ好代は暴力を受け入れていたのだろう。
それに好代の初めてを奪ってしまった。
こんな事をしていた男を好きなはずないのに。
あの、俺のことを好きだと顔が忘れられなかった。
それからは好代の事を丁寧に扱った。
普段も、ベッドの中でも。
変われると思った。
これからは手を出さずに、好代を大事に出来る。
だけど、好代は俺が手を上げなくなったことに不満と言ったらおかしいけれど、でも良くは思っていないようだった。
もう、手をあげることはしない。
心を改めようって決めたんだ。
俺の思いとは違い、好代とは少し疎遠になった。
何故だかは分からない。
そこで気づく。
いつも好代から俺の所に来ていたことに。