第1章 きっかけ
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デーモン騒動から一転、二人は仲良く廊下に立たされていた。
総「おい、今日から銀八に素直に接するんじゃなかったのかい?」
貴「は!?あんたのせいじゃない!総悟が協力してくれるなんて怪しいと思った!!」
総「だからって銀八にあんなでけータンコブ作んなくてもいいんじゃないですかィ?デーモン閣下」
貴「その呼び方やめろ!ってかあれはあいつが悪いんじゃない!!総悟を叱るどころか私に落書きするなんて ……!」
総「へいへい、守ってもらいたかったわけですねィ。ごちそうさん」
貴「ちょ、あんたどこ行くのよ?廊下に立ってろって言われたじゃない?」
総「バカくせぇ。俺ァ屋上で昼寝しやすぜィ」
貴「ま、まってよ!」
はあくびしながら歩き出す総悟を追いかけた。
屋上に着くと、総悟はお気に入りのアイマスクを付け足を組みながら床に横になる。空は快晴で青々とした、澄んだ色の空だった。風は少し暖かくて、屋上を照らす太陽が心地いい。
は、総悟の横に座ると横目で総悟を見る。
総「……なんですかィ?さっきからチラチラ…」
総悟はアイマスクをだるそうに上げると、を見た。
貴「総悟さ、たまに授業中いないときあるけど、屋上に来てたの?」
総「……それが?」
貴「いや、べつに……この時間屋上に来ることなんかないから…結構気持ちいいね。…あ、これさ、借りててもいいかな?私、練習したいんだ」
は総悟が持ってきた雑誌とメイクポーチを取り出すと、申し訳なさそうに総悟の前に差し出した。
総「ああ。姉上、それもう使ってねーみたいだから」
貴「ほんと?ありがとう!」
は嬉しそうにポーチを握りしめ、総悟に笑顔を向ける。総悟は自分の顔が赤いのがにバレないように、アイマスクをした。
貴「ねぇ総悟、どんな女性が好きだと思う?」
総「銀八の話?」
貴「う……うん……」
総「ナチュラルメイクで、料理ができて、優しくて、大和撫子で………笑顔がかわいいやつ……じゃね?」
貴「…私相当努力しなきゃ無いね…」