第1章 きっかけ
貴「あ、あんた誤解され…」
総「言ってる場合かよ。早くしろ」
は渋々総悟の言う通りに座った。距離がいつもより近い。総悟の顔が、の顔が……
総「目、閉じろィ」
貴「う、うん…」
は目を閉じた。総悟はその顔を頬を染めながら少しだけ見つめる。少し経つとの頬に冷たい感触を覚えた。
貴「!な、なに?」
総「化粧下地とかいうやつ。クリーム状のやつでさァ」
うっすらと目を開ける。
貴『総悟、顔近い。ってかまつげ長いなぁ。目も赤くて綺麗だし肌も…見た目だけは可愛いんだけどな…」
真剣な顔で手際よくメイクする総悟。
キーンコーンーカーンコーン
貴「!総悟、やばいよ!銀ちゃんきちゃう!」
総「あ、まだできてねぇですぜィ?」
銀「ういー席つけーー」
貴「やば!きちゃったよ!」
は慌てて椅子を元に戻すと、いつものように席に着いた。
銀「おーい、なんだその顔。先生をおちょくってるんですかーコノヤロー」
貴「…え?」
後ろで薄ら笑いをこらえる総悟。なんか嫌な予感がする……
銀「デーモン閣下のメイクをおちょっくってんのカァァアア?沖田、アイライナー貸せ」
総「プクク……へい……」
貴「え!?デーモン?」
状況が掴めない。クラスのみんなは笑をこらえた状態だった。銀八は総悟からアイライナーを受け取るとの顔に何か書き出す。
銀「額の「肉」が足りないでしょーが!!!!」
新「てめー教師だろうが!!!何女子生徒の顔に落書きしてんだァァア!?てか「額の肉」ってなに!?それキン肉マンだよね!!??おめーが一番侮辱しとるわ!!」
貴「おいてめー沖田!!何してくれてんのじゃー!!!!???」
は総悟の胸ぐらを掴んみ、激しく総悟を揺すりながら叫んだ。
総「やだなァ。お茶目ですぜィ?」
貴「ぜんっぜんかわいくねーんだよ…」
はとてつもない形相で総悟を睨みつける。
銀「はーいそこイチャイチャ禁止ーー気分悪いんでとりあえず廊下に立っとけーー」
総「ププ……ざまぁ」
銀「沖田ーーお前もだーー」