第1章 きっかけ
神「よぉドS!しけたツラしてどうしたネ?失恋でもしたかー」
貴「ちょ!!今その話題はマズイ!!」
は慌てて神楽の口を塞ぐと総悟が口を開いた。
総「失恋…まァ大方間違っちゃいねぇや」
そう言うと総悟は自分の席を立ち、教室を出て行った。
神「何だアイツ?ホントに失恋したアルか」
貴「総悟……総悟!」
は総悟を追いかけて教室をでた。
神「?一体何アルか?」
ガラッ
貴「総悟!」
が扉を開けると、ロッカーで何かを探している総悟がいた。
貴「あ、あれ?どうしたの、総悟?」
総「あ、あったあった。」
総悟が取り出したのは女物のポーチと、メイク雑誌だった。
貴「どうしたの?これ…」
総「あー、姉上に借りてきたんでさァ。お前の事情話したら、快く貸してくれやしたぜィ。ホームルーム始まる前にちゃちゃっとメイクしちゃいやしょう」
貴「え?」
総「忘れやしたかィ?プロデュースでさァ。俺がメイクしてやるんで」
そう言うと総悟は教室に向かって歩き出す。
総「おい、早くしろィ。銀八くんだろーが」
貴「う、うん!」
席に戻った二人は、メイク雑誌をめくりながらメイク談義を始める。
貴「やっぱりちょっと大人めな方がいいよね?先生何気にドS気味だし、ブラック系メイクでセクシーに…」
総「アホか。男ってもんをわかってねーな!ああいう濃いメイクは男を引かすぜィ?ブラウンのアイラインにマスカラ、アイシャドーなしのナチュラルメイクが受けがいいんでさァ。そこにセクシーさを見出す。」
貴「え?なんかまともな意見ね。そうなの?それあんたの好みじゃないの?」
総「TPOを考えなせぇ。ブラックでガチガチに固めたメイクが制服に合うと思いやすかぃ?ただのビッチでさァ。あ、これなんていいんじゃねーかい?」
総悟が雑誌にのっているメイクを指差す。
貴「あ、ホントだ。自然だけどどこかセクシーなかんじ…」
総「そうと決まればメイクしますぜ。もっとこっち寄んな。」
は自分の椅子を総悟と向かい合うようにし、座り直した。
総「遠い。俺足広げるんで、そこに自分の足いれなせぇ。遠くてメイクできやしねぇ」