第1章 きっかけ
総「おい…今日の放課後もこれで帰るぞ…」
総悟は自転車を漕ぎながら後ろに乗ってるに話しかける。その顔は少し疲れていて、先ほどに散々くすぐられたようだ。
貴「え?総悟と自転車で?なんで?」
は総悟に渡された学ランを持ちながら聞き返した。
総「お前俺にばっか漕がせんなよ。帰りくらい俺乗せて自転車漕げ。」
貴「男を自転車の後ろに乗せて必死こいて漕ぐ女がどこにいるか!」
総「あそこ」
総悟の視線の先には神楽。神楽は自転車に乗っていて、後ろには新八が乗っていた。
新「か、かぐらちゃぁぁぁぁぁぁああん!!!早すぎ早すぎ!!とめてぇぇぇぇええええ!!!!」
神「なーに言ってるアルか!!今日は最速で学校に着けそうネ!新八!!タイムちゃんと測っとけヨ!!!」
ビューーーーーーーン!!!!!
総貴「…………」
総悟は呆れた顔で二人の姿を見ていた。でもその姿はには切なそうな顔にしか見えなかった。
総『ゴリラ女。なんで嘘でもあんな女の事好きだなんて認めちまったんだ?』
総悟はげっそりした顔で頭をかく。
貴「総悟。落ち込まないで…。わかるよ、その気持ち」
総『いや何もわかってないから!!少しも俺の気持ちわかってないからお前!』
総「はぁ、とりあえず学校ついたらいろいろ作戦練ってみやしょう。お前をいい女に仕上げるなんざ、どんな腕の立つ職人でも泣いて逃げるところでさぁ。」
貴「……心配した私の気持ち、一億円添えてかえしやがれ」
総「んぁ?ありゃ近藤さんと……」
総悟は前を歩く二人組を見つけ、自転車を立ち漕ぎしスピードをつけた。は風になびく総悟のサラサラな髪と、意外に逞しい腕を見て少しだけ顔を赤くした。
柔軟剤のいい香り。何使ってるのかな?
総「死ねぇぇぇええ土方!!!!!」
土「ぶほほほぉおおおお!!!!」
総悟はものすごいスピードで土方のケツを蹴り上げた。その攻撃に耐えられず、土方は地面に叩きつけられる。
土「てんめー!!!朝っぱらから何しやがんだー!!!!」
総「土方さーん、死んでくだせぇぇーー」
総悟は気だるそうな声でそう言うと元のスピードで自転車を漕ぎだす。