第3章 エースと顧問
国語準備室をでた後、は図書室へ向かっていた。
まだドキドキは治っておらず、勉強に手をつける自信もないが、総悟に宿題を終わらせるよう指示されていたので、とりあえず図書室に向かうことにしたのだ。
貴『銀ちゃん、いつもと様子が違かったな…』
ちゃらんぽらんで教師らしくない教師。それが坂田銀八だ。
でも、先ほどの銀八には「教師」よりも「男」を感じた。
いつも「生徒」に見せない表情を見た気がしたのだ。
貴「私が、銀ちゃんを好きだからそういう風に見えちゃうんだろうけど…」
もんもんと考える。テーブルに広げた宿題に集中できない。だんだんはイライラしてきた。
貴「あーー!!もう!!わかんない!!わかんないよー!」
「うるせーな!!ここどこだと思ってんだ!!」
背後から怒鳴り声が聞こえる。
貴「あ。土方くん!ご、ごめんなさい」
土「あ”?じゃねーか。何してんだ?」
土方は袴姿で辞書をもち、本棚の前に立っていた。
貴「総悟を待ってるついでに宿題終わらそうかと思ったんだけど、集中できなくてさー。土方くん部活は?」
土「部活中だったんだが、辞書返却するの忘れててよ。急いで返しに来たところだ。どうせ集中できねーなら、剣道部の見学にでも来るか?」
貴「そうだったのね。んーそうしようかな。いい気分転換になりそうだし」
はテーブルに広げた宿題をカバンにしまいだし、土方と剣道場に向かうことにした。
土「おい、もたもたしてねーで行くぜ」
貴「まってよ−!」