第2章 関係性
キーーンコーーンカーーンコーーン………
チャイムが鳴る。と総悟は我に帰り、抱き合っていた体を離した。お互い顔はとても赤かった。
貴「あ!!!ごごご、ごめん!!私ったらこんなの事…」
総「は、ははは!なんも問題ねーや!雌豚一匹抱え込むぐらい!」
ボカッ!!
貴「うるさいドS総悟!!ばかばか!!」
総「いって!!今日二回目じゃねーか!!くそ女!!」
貴「何よ!総悟が優しいなんておかしすぎるのよ!へ、変にドキドキしちゃったじゃない!」
総「……あほくさ。先教室もどってまさァ」
貴「ちょ、ちょっと総悟!」
銀八以外にドキドキなんてしないくせに。不機嫌そうに教室へと歩いていく総悟。
好きなのをやめられたら……
とっさにでた言葉だった。自分がを好きなのをやめたかったのか、銀八へのの想いをやめさせたかったのか…
総「やめやめ。俺らしくねぇ」
総悟は考えるのをやめた。総悟の後をは追いかける。少しだけドキドキが残る胸に、顔の赤みは収まらずにいた。
キィ………
銀「…………」
屋上の入り口が開く。一部始終を見ていた銀八は、タバコを咥えながら扉に寄っかかっていた。
銀「…ふーーん……」
月「どうした銀八?」
背後から月詠が話しかける。
銀八は怪しく口角を上げる。
銀「べつに?…ちょっとおもしれーもん見ただけだ」
月「変な真似はするなよ?次何かやらかしたら、間違いなく左遷じゃろうからな」
銀「ただ生徒をからかうだけだ。なんの問題もねーだろ?」
月「お前というやつは。大概にしておけよ」
月詠は呆れたように言うと先に屋上から出て行った。
銀「恋愛なんて…くだらね」
ふーーっとタバコの煙を吐く。濃い煙が青い空に溶け込み、風に流されて行った。