第1章 きっかけ
銀「おーいお前らー。先生廊下に立ってろって言ったよなー?二人でイチャイチャ、どこ行ってたんですかコノヤロー」
総悟たちは教室に戻る前に、階段で銀八と鉢合わせた。
総貴「げ!!!」
銀「お前ら全然反省してねーな。クラスメートの前で毎度毎度イチャコラしやがって。童貞新八君の気持ちも考えてやりなさーい。」
総「もういろいろつっこむところ多すぎて、つっこむ気ないんですが」
銀「それからー。色気付くのは構わねーが男子には気をつけるよーに。メイクした女にろくな男子高校生よってこねーぞ」
貴「あ…はい……すいません……」
さっきまでウキウキだったの顔が瞬く間に暗くなった。そんな
を見て、いたたまれなくなったのか総悟が口を開く。
総「おい!銀八そんな言い方…!」
銀「っつーのは教師としての言葉だが、俺としては…結構似合ってんじゃね?」
貴「え?」
がうつむいていた顔を上げる。
銀「化粧っつーもんはよ、やればやるほど濃くなってくもん見てーだし?やっぱナチュラルだよなー!お前もそれ以上濃くならないように気をつけろよ。あんま濃いと生徒指導しにゃならんからな。めんどくせーし。頼むわ」
銀八はの頭をポンポンと撫でると、職員室に向かって歩き出した。
俺は銀八と目が合う。少し得意げに微笑んだ銀八の顔が目に焼きついた。
こいつももしかしてのこと……?
いや、考えすぎだ。俺ァどうかしてる。あんなちゃらんぽらんな教師でも、生徒に手を出すような真似するわけねぇ。
貴「総悟?どうしたの?教室いこ!」
総「…よかったですねィ。銀八に褒めてもらえて」
貴「…あ、うん…!」
は嬉しそうに笑うと教室に向かって歩き出した。