第1章 赤い緊縛 [原田左之助]
まだ少しだけ慣れないその感覚に、私は顔を歪める。
本当に少しの痛みと、息がつまるような感覚。一瞬息が止まり、深く吐き出した。
「大丈夫か?」
そう原田さんが耳もとで囁くのを聞いて、私はただ頷く事しか出来ない。
痛みや、苦痛。それを確かに感じているはずの私は、それ以上に、快楽を味わっていた。
慣れるまで、と動かない原田さんは苦しそうで、どれほど我慢しているのかが私にも分かる。
私の中にいる原田さんのモノは、熱く、私を刺激する。
「も、うごいてくださ……」
掠れる様な声で、私がそう告げると、その言葉を待っていたかのように原田さんは腰を動かした。
その動作と共に、思わず声が漏れる。
「あっ、ん、んん」
私の声を妨げるように塞がれた唇から、舌が入り込んできた。
私を抱きしめるように抱くその体勢は、あまりにも深く私の膣を刺激する。
一度離れた唇がまた重なり。息が出来ない。
頭が、くらくらとして、まるで痺れてしまったように感じる。
突かれる度に走る快楽は、治まることがなく、このままではおかしくなってしまうのではないか、と思うほどだった。
けれど、抵抗が出来ない。
縛られたその腕で抵抗する事は出来ず、むしろ私は、その状況にとても強い興奮を覚えていた。
やめてほしいと願いつつも、その快楽に溺れる私を見ながら、原田さんがまた笑ったような気がした。