第1章 赤い緊縛 [原田左之助]
膣で原田さんのモノが動くたびに、私は声を漏らした。原田さんからは、荒い呼吸音だけが聞こえる。
部屋に響くのは、私達の呼吸。そして、淫らな音。
そんな音をきいていると、今まで以上に頬が熱くなった気がした。
顔を隠そうにも、縛られた腕では隠せない。どうにか顔を隠せないかと、私は必死に俯くけれど、それに気づいた原田さんが私の顔を覗き込むように、動いた。
「…あっ!?」
最奥を突かれて、素っ頓狂な声が出る。激しかった動きは止まったけれど、止まった場所は一番奥なのだから、むしろ動いてくれた方がましだとさえ思う。
それほどに強い快感が、その場所にはあった。
「……どうしたんだ?急に顔背けちまって」
原田さんは顔を見ようとするけれど、私は必死に隠そうとした。きっと今の顔は、おかしなことになっている。
「お、おと…音がっ」
「音…?」
「動くたびに…っ音、なって」
ズッ、と、私の中から引き抜かれたモノが、また私の最奥を突く。
そしてまた、あの淫らな音が、私の耳を刺激した。
「この音が恥ずかしくて、顔隠してんのか」
「わざわざっ音…たて、ないでっくださ」
必死に頼んでいるのに、最後まで言わせまいとでもするかのような刺激が、邪魔をする。
ただ声を上げ、顔を伏せる事しかできないのか。恥ずかしさと、快感。どうにかなってしまいそうなほど熱い吐息が、原田さんから漏れるたび、私はまた、興奮してしまう。
「……顔、見せてみろよ」
「や、です」
否定しても、原田さんは私の顎を掴んだ。親指と、人差し指。その二本の指にさえ、私は抗う事が出来ない。もしこの腕が自由だったとしても、きっと。
顔が原田さんの方向へ向くと、ぼやけた視界の中で、赤い髪が揺れる。そして額に汗を浮かべた原田さんは、私の姿を見ながらに、こう言ったのだ。
「……絶景だな」
ゾクゾクとした快感が、脳天から足までを、突き抜けた。
「は、あ、うあ!?」
「くっ…」
それと同時に、私の膣に、温かいものが流れ込んできた。整わない息で、精一杯呼吸をしていると、原田さんが私の頭を撫でた。
しゅるり、と音を立てて、腕から布が解かれ、私は原田さんに、強く抱きついた。