第1章 赤い緊縛 [原田左之助]
締め切った障子のせいで、薄暗い部屋の中。
そこに響き渡るかのような、口付けの音が鳴る。
「ふ、あっ……」
首。腹。太股と言ったように、徐々に下がっていく口付けは、刺激してほしい場所を避けながら、私の反応を楽しむように何度も落とされる。
まだ刺激されていない恥部に、ゾクゾクとした感覚が走り、腰をよじらせた。
「腰、動いてるぞ」
うっすら笑みを浮かべながら、私に囁きかける原田さんの顔がグッと私の顔に迫った時、私の下腹部に彼のモノが当たった。
「……あ」
「ん?あぁ、バレちまったな」
いつものようにニッと笑うと、私の唇を塞ぐ。
塞がれたままに声を出している間に、私の足と足の間へと、彼の膝が割り込んでくる。
声にならない声を出し、抵抗しようとして見るも、縛られた腕ではなにも出来ない。
「んっ、んぅ」
何度も声を出して、やっと離れた唇から、唾液が垂れる。
呼吸も荒いまま、私の脳は蕩けてしまいそうなほどに熱している。
「そんなに期待してたのか?」
「ち、ちがっ」
否定しようとしても、否定できない。
割りこまれた膝が、グッと私の恥部を刺激して、思わず甘い声を漏らす。
何より、期待していた事に間違いはない。
あてられた彼のモノ。そして当たるか当たらないかの場所で留められていた膝に、私は確かに期待していたのだから。
「……今日はいつもより敏感だな」
耳元でそう囁きながら、彼は次に、私の恥部に手を伸ばした。