• テキストサイズ

[薄桜鬼] 朱色の微熱【R18】

第1章 赤い緊縛 [原田左之助]


部屋の中に、袴の結びを解く音が鳴る。シュルリと解けるその音を聞いて、私の体は期待と高揚で一杯になる。
敷かれた布団に、私を押し倒す形で居る原田さんの指が、私の肌に触れた。

「ひゃ、」

熱く火照った私の体に触れたその指は、冷たい。
冷たく角ばった指が、私の太ももを撫でまわす。

「はら、ださん」
「……ん?」
「何か今日……触り方がやらしいです」

少しの快感を、一心に受け止めながらそう言うと、原田さんは少し笑って、私の頬に手を寄こす。

「いっつも、こんな感じだと思うんだけどな」
「……今日は、何か違います」

原田さんは一瞬黙って、そして私の腕を取った。
原田さんは自分の腕から、赤い布を取ると、私の腕に縛りつけた。

「えっ!?」

私が驚くと、原田さんは私の腕に軽く口付けを落とす。
ちゅ、と聞こえる音が、耳を刺激する。

「……ごめんな、痛いか?」
「痛くは、ないです」
「……そうか。なら、このまま」

何度も落とされる口付けに身動ぎしていると、原田さんが私の首筋を軽く甘噛みする。
思わず甘い声と息が漏れ、原田さんは私を見上げる様に見つめ、反応を楽しんでいる様だった。


「お前が見てた所……やっぱ、違うもんだな」
「そりゃあ、違います……原田さんの方が、筋肉もあって――」

「素敵です」と、そう言う前に唇が塞がれた。
先ほどとはまた違う、甘い音と、舌が絡み合う感覚が、脳を痺れさせる。


「ふ、あ」

離れた口で息を整えていると、原田さんは私の耳もとで、囁いた。


「俺は、お前の首筋の方がそそるんだがな」

まだ口にして居ない言葉を読まれた様で、ニヤリと笑う原田さんの恥ずかしい様な甘いその言葉で、私の体はゾクリと期待を込めた様な感覚が、走った。
/ 7ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp