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虹色の詩【刀剣乱舞 R18あり】

第2章 Sweet Time~恋のチョコチョコ大作戦~



部屋の近くまで来ると、部屋の前に人影があった。
誰だろう?と近寄って行くと、大将が部屋の前をウロウロしている姿が見えた。

「た~いしょ」
そう声をかけてみると、まるではじかれたように驚いた顔をしてあたふたし始めた。

「や、薬研?お、お風呂は?」
なんだ?顔が赤いぞ、大将。
「体調でも悪いのか?」
俺っちがそう聞くと
「ち、違くて・・あの・・その・・」といって俯いてしまった。
おいおい、俺っちなんかしちまったか?
俯いたままの姿を見て、俺っちは不安になってきてしまう。

しばらく向かい合っていると、「ちょっと、いいかな?私の部屋まで・・・来てほしいんだけど」と大将が言った。
「ん、いいけど。どうしちゃったんだ?」
俺っちが言い終わる前に、大将はスタスタと歩いて行ってしまった。
「おいおい、俺っち本当になんかしちまったか?」
不安な気持ちのまま、大将の部屋へと向かった。

部屋の前まで来ると
「薬研、入って」と大将の声。
襖を閉めて、中へ入って行くとそこには綺麗にラッピングされた箱を持った大将がいた。

すると、「薬研、あのね。今日は・・・バレンタインで、その・・・好きな人に想いを伝える日なんだけど・・・」
と言って、俺っちの方を見た。

「あぁ、今朝乱が言ってたやつだろう?チョコならもらったぜ?おいしかったよ、大将」
と答えると
「あのね、そうなんだけどそうじゃなくて・・・これは、薬研の為に作ったの・・・その、わ、私、薬研の事が・・・好き・・・です」
そう言って手に持っていた箱を俺っちの前に出す。

わかってるって・・・って、今なんて言った??
大将が俺っちの事が好きで、俺っちのためだけにチョコを作ったってか?
はは、とうとう自分の都合のいいように解釈しちまうようになってしまったのか・・・重症だな、俺・・・。

そんなことを考えてると
「薬研・・・ごめんね。迷惑だよね。好きだなんて迷惑だよね・・・ごめん・・・」と大将の声が聞こえてきた。

聞き間違いじゃなかった。
大将は、俺っちの事が好きだと言ったのだ。
他の刀剣男子達へとは違う想いを抱いてくれていたのだ。

まいったな・・・




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