第2章 Sweet Time~恋のチョコチョコ大作戦~
ふう~っと一つ深呼吸をして、俺っちは大将の前に立つ。
そして
「た~いしょ、顔あげて。ありがとう、すごくうれしいよ。俺っちも大将の事、1人の女性としてずっと好きだったから」
と言って箱を受け取った。
「薬研・・・それって・・・」
俺っちの言葉を聞いて、大将が顔を上げた。
その顔は、すごく嬉しそうで。
「なんだ、た~いしょ。そんなにびっくりするなって。俺っちがこの先もずっと、大将の傍に・・・一番近くにいてもいいってことなんだろ?俺っちの願いが叶ったんだ。だから、俺っちの全てをかけて大将の事を守る事を約束するぜ」
そう言って、彼女を抱きしめた。
「薬研・・・ありがとう。本当に嬉しくて、まだ夢なんじゃないかって思っちゃう・・・。好きになって・・・よかった」
そう言って微笑む彼女は、とても幸せそうだ。
まあ、俺っちがこれからもっと幸せにしてやるんだけどな。
「」
今日、初めて彼女の名前を呼んだ。
俺っちを含めて、数名しか知らない彼女の名前。
「なあ、。二人きりの時はそれでいいよな?」
と俺っちが言うと
「うん、うれしい。薬研に名前を呼んでもらえるなんて・・・うれしい!!」
そう言って、俺っちにギュッとしてくる。
「これからもよろしくな、」
「うん、こちらこそよろしくね、薬研」
そう言って見つめ合った俺達は
そっとお互いの唇を重ねた。
初めてのキスは・・・の甘い甘い香りがした。
後日談
「た~いしょ、またおなか出して寝たのか?」
「違うってば!!」
あの日から、俺っちと大将の関係は変わった。
他の刀剣達にはまだ言っていないが、いち兄はどうも気づいているようで。
「薬研、主にあまり無理をさせてはいけませんぞ」
なんて事を言ってくる。
「なんだ、いち兄。無理な事ってどんなことだ?」
「や、薬研!」
赤くなってあたふたするいち兄。
ははっ、こんなやりとりも悪くない。
「心配するな、いち兄。無理はさせてないぜ」
そう言って、俺っちは今日の出陣に備えるべく準備に向かった。
END