第6章 放課後と彼女
教室で2人きりになった
「怒鳴ったりしてごめん。怖かったよな…。」
彼女は首を横に振った
俺はこの場ではっきりさせる決断をした
「俺、好きだよ。澪のこと。返事は今すぐじゃなくていい。気長に待つから、それまではいままで通りでいい。」
静かな教室は外からの賑やかな声が響く
彼女は俺の発言に固まってしまった
「急にごめん。でも本気だから。…そろそろ練習戻るよ。」
俺は教室から出ようと歩き出したら、腕を引かれた
『………ぃ』
小さく掠れた声が聞こえた
ここには俺と彼女の2人きり、ってことは君の声なのか?
『……ごめ……なさ……ぃ………』
絞り出すように、力を込めて発している声
“ごめんなさい”と言ったんだろう
「…そっか。聞くだけでも聞いてくれてありがと、」
結構キツイな…、ダメだったか…
この場に居るのが少し辛くなり、去ろうとしたが
引き止められる
泣きたいのはこっちなのに、彼女の方が目いっぱいに涙を浮かべていた