第6章 放課後と彼女
岩泉さんが及川さんに怒鳴ってる
こんなの初めて見た
いや、言いかえる
こんなにも本気になって、感情むき出しで怒鳴ってるのは初めて見た
今までは全部ふざけてる及川さんを怒鳴るだけだったから
マジな目してる及川さんには口を挟まないようにしてたみたいだし
怒られた及川さん心なしか、なんだか目に光が戻った気がした
さっきまでの狂気に満ちた顔をしてない
及川
「…俺は、澪がすごく好きだった。」
「な、まだそれを…」
及川さんを止めようとしたけど、岩泉さんに止められた
岩泉
「言わせてやってくれ、あいつの想いを。やっと、ケリつける気になったみたいだからな。」
及川さんをじっと見て何か確信でもあるかのように話す岩泉さん
「…。何かあればすぐに止めます。」
岩泉
「その時は俺も及川を殴って止めてやる。」
及川
「好きだった…、じゃなくて好きだよ。今でも、俺の中では澪が1番。まあ、バレーとどっちがいいかって言われたら本当のところわかんないんだけどさ…。」
苦笑いの及川さん
及川
「…澪の中にもう俺はいないから!だから!俺は…、俺は…、身を引くよ…。だからさ!!」
ビシッと俺に指をさした及川さん
及川
「澪のこと泣かせたら、俺がすぐにでも貰いにくるから覚悟してなよ!!」
そう言って勢いよく教室を出ていった
そんな及川さんに岩泉さんはため息ついて、呆れた目をしていた
岩泉
「悪いな、ああいう奴なんだ。ま、国見頑張れよ。」
俺の背中を軽く叩いて岩泉さんも出ていった
2人っきりの教室はやけに広く感じた