第6章 放課後と彼女
国見
「…及川さん、そんなことしたら余計に喋らなくなりますよ。」
及川
「国見ちゃんは黙っててよ‼︎」
及川さんは俺の方をギロッと睨み、それだけを言うとまた彼女を問いただした
及川
「ねぇ、俺のどこがダメ?ねぇ、俺はこんなにも澪だけを愛してるのに…。俺にはもう澪しかダメなのに。何がいけない?お前のためなら何だって捨てられるよ?大事にしてるものだって、家族だって、澪以外の人との繋がりだって、俺が持ってるもの全部捨てられるよ?」
狂気じみた笑みを浮かべている及川さん
あぁ、これが岩泉さんが言ってたことなんだ…
ここまで、及川さんが壊れているとは思ってなかった
俺は及川さんの右手を掴み彼女の肩から離した
国見
「もうやめてください、及川さん。」
及川
「…何国見ちゃん、邪魔しないでよ。」
明らかに機嫌の悪くなった及川さんはさっきみたいに俺を強く睨んでる
国見
「いいかげんやめてあげてください。彼女がおびえているのはわからないんですか?」
及川
「離してくれない?まだ話は終わってないんだから。」
国見
「離さないです。震えてる彼女を見てるの辛いので。」
及川さんにはもう彼女の顔が見えていない
こんなにも怯えきった顔して震えてるってのに
目には光なんて一切見えないのに
乾いた音が教室に響いて彼女は目を見開いた
なぜなら、俺が及川さんを引っ叩いたからだ