第6章 放課後と彼女
休憩時間、気づいたら及川さんがいなかった
岩泉さんに尋ねるとと教室に忘れ物を取りに行くと言って少し出ていったと言っていた
嫌な予感がする…
俺は体育館を飛び出して美術室へと走った
そこにはやはり及川さんがいた
及川
「…聞こえたんだよ。澪の声…。」
美術室の中から聞こえてきた及川さんの言葉に頭が真っ白になった
何が何だかわからない
教室のドアの前で立ち尽くしていると及川さんが俺に気づいたようで入ってくるように促してきた
及川
「国見ちゃんはさ、知ってた?澪が声出ないフリしてたの。」
あざ笑うかのような顔で俺を見ている及川さん
彼女はずっと下を向いていてそんな二人を俺は交互に見ていた
国見
「…そんなこと俺に言ってなにがしたいんですか。」
及川さんはもう何を考えているのかわからない
及川
「澪を守れるのは俺だけだよって言ったらわかってくれるかな?」
笑顔で言い切った及川さんに俺は眉間にしわを寄せた
国見
「わからないですよ、全く。及川さんは何もわかってない…。澪の気持ち、何もわかってないです。きちんと、彼女の顔を見てください。及川さんには見えないんですね、その涙が。」
そう、彼女は少し前から泣いていた
肩も震えていた
でも、及川さんは気づいてなかった
及川
「…え?何で泣いてるの?だって、澪には俺がいればいいじゃん…‼︎…どうして?どうして俺じゃダメなの⁉︎ねぇ!」
及川さんは怒鳴りながら彼女に言いより、両肩を強く掴んで彼女を問い詰めた