第5章 先輩と彼女
及川さんと合わせないようにする
口では簡単に言えるが、行動するとなるとかなり難しい
どうすればいいのか、考えても全然わからない
なにより、あの人の行動範囲がわからなければ無理だ
なんて、考え込んでいたら人とぶつかってしまった
「っすみません…、って岩泉さん」
岩泉
「国見じゃねーか、部活以外であうのは初めてだな…。」
「あぁ…、そうですね…。」
岩泉
「…ちょっと今話せるか?」
神妙な面持ちの岩泉さんにはい以外の返事は出せなかった
ここじゃ…なんて岩泉さんが言うから体育館裏で話すことになった
誰もくることのないそこは綺麗とはとても言えるような場所ではなく、清掃された様子も見えなかった
岩泉
「お前、あいつのことが好きなのか?」
いきなり投げかけられた質問に驚いた
直球すぎるし、まさかこの人からそんなことを言われるとは思ってなかった
「あいつって澪のことですよね?」
岩泉
「どうなんだ?」
「好きです」
俺の答えに対して、黙り込んでしまう岩泉さん
岩泉
「…。及川には気をつけろ。もう手遅れかもしれないが、忠告だ。」
忠告?
岩泉
「あいつはマジでヤバい。狂ってる。下手すりゃ殺されかねねぇ。」
「誰がですか」
岩泉
「お前だ」