第4章 及川さんと彼女
こうやって喜んでる彼女にいうことじゃないけど、昼休みはしばらく一緒にいられないことを打ち明けた
理由は言えなかったけど、彼女は俺には俺の付き合いがあって当然だと何も聞いてこなかった
そのうち、元カノはあきらめてくれるだろうと軽く見ていた
でも、考えが甘かった
数日後俺は、昼休みに屋上に呼び出された
もちろん、呼び出したのは元カノだ
『ねぇ、キスして?』なんて元カノは言ってきた
「なんで?」
俺が聞くと『俺たちは付き合ってるんだから当然だ』と
続けて、澪を盾にキスをせがんできた
仕方なくキスしてすぐさま離れようとすると、女は胸倉と左腕をつかんで自身のほうへと倒れこんだ
痛いと小さく声を漏らす女に俺はどういうつもりだと問い詰めようとした
でもその時、向こうから音が聞こえた
振り返ると、顔を真っ青にして涙をこぼす澪と目を見開いた飛雄がドアのところに立っていた
俺は頭の中が真っ白になって訳が分からなくなった
澪は落とした荷物も忘れて屋上から去っていった
このとき、俺は元カノの上に馬乗りになっていた
飛雄は彼女の落とした荷物を拾って彼女を追っていった
俺もすぐに後を追った