第4章 及川さんと彼女
それからも俺は澪の自由を奪っていった
朝は必ず迎えに行って、彼女の心を癒す
学校でも、休み時間は開始のチャイムと同時に教室を飛び出して澪に会いに行く
放課後は俺の部活が終わるまで待っていてもらう
「いい?絶対終わるの待っててよ?最近不審者が出たって話なんだから。」
俺は彼女に抱きつく、いつもの澪独特のいい匂いが鼻をくすぐる
『うん。部活頑張ってね。』
子供のように甘える俺に澪は頭を優しく撫でてくれる
部活が終わったら、自主練前に彼女を迎えに行って、自主練中は体育館の端にいてもらった
最初は岩ちゃんも文句言ってたけど、そんなの聞かずに続けたら何も言わなくなった
自主練も終わったら一緒に下校
彼女を俺という鎖で縛り付けた
そんな毎日を繰り返した
そして、ふと気付いたんだ
彼女も俺に依存してるんだって
俺は嬉しかった
彼女の中で俺はかけがえのないものへとなっていたのが
嬉しくって嬉しくってたまらなかった
なのに、その幸せを自ら壊してしまったんだ