第4章 及川さんと彼女
当然知らなかったわけで、なんと言っていいのかわからず、黙ってしまった
影山
「うそ…だろ?知らなかったんですか」
トビオはぎゅっと手を握りしめていた
「ごめん…。」
影山
「全員、あんたのファンクラブに入ってる奴だってのに…。」
この一言で彼女がいじめられている理由は俺にあるとトビオは言いたかったんだろうな
だからこそ、知っているものだと推測したんだろう
なのに、俺は気付いてなかった
救いようがないな…
「お前はいつ知ったの?」
影山
「少し前から薄々と、でも、確信したのは一昨日にアイツらが澪の靴箱のところでこそこそやってんの見てからっす…。怪しいと思って、アイツらの去った後、見たら靴箱にゴミが入ってました…。」
「…」
何も言えなかった
だって、俺のせいでいじめられてるのに、俺が気付いてやれなかったなんて、自分が嫌になる
俺は彼女に救われてるのに、俺は彼女を救えない
「その女の子のこと教えてくれる?」
俺はトビオに主犯者の名前を聞いて驚く
なんせ、澪の前に付き合ってた俺の元カノだった