第3章 影山と彼女
国見
「北一にいたの?」
影山
「あぁ」
国見
「でも、卒アルにいなかったけど?」
影山は急に険しい顔になった
そして黙って話を続けた
影山
「…。中学に上がる前の春休みに、あいつのおばあさんが倒れたんだ」
彼女は両親が海外で働いているため、小2の頃からおばあさんのいる宮城で育ったらしい
影山
「それで、しばらくの間、あいつは叔父さんに面倒見てもらうことになったんだ
それが澪の地獄の始まりだった
あいつの叔父さん、酒癖が悪かったんだ
叔父さんはあいつに暴力を振るっていた
俺が気付いた時には、痣だらけだった
その頃だった
澪が及川さんに目をつけられたのは」