第1章 仲間はこういうやつらです
数秒の沈黙を破ったのは黒子っちだった。
「てゆーか、彼女いたんですか?」
「ひどいッス黒子っち!!あんなに熱烈に彼女との愛を語ったのに!!」
「すみません、興味ないことは覚えてないんです」
あいも変わらず表情も変えず、さらりとひどいことを言う影の薄い男。
「浮気くらいでガタガタ言うんじゃねーよ。お前だってそれくらいしてるだろうが」
「失礼ッスよ青峰っち!オレは超一途ッス!」
「は?マジで…ありえねーだろ」
細い目をさらに細くして怪訝な目を向けてくるバスケ馬鹿。
「黄瀬ちんあんなに女の子に媚び売ってるのに一途とかよく言うよね〜」
「媚びなんか売ってないッス!向こうが勝手に近寄ってくるだけッス!モデルやっててファン減らせないから丁寧に対応してるだけッス」
「ふ〜ん、まぁどうでもいいけど」
眠そうな目をして、まいう棒を頬張る巨体。
「浮気に走る女性というのは、相手に不満があるからだそうだが」
「緑間っち、オレを誰だと思ってるんスか!スーパーイケメンでスポーツ万能、超優しくてモデルもやってるオレに不満があるわけがないッス!」
「・・・・・・」
眉間の皺を濃くして、黙ったまま鋭い眼光を向けてくるおは朝信者。
「それはさておき涼太、ッスの乱用はイラつくからやめろ。殺すぞ☆」
語尾に☆とか飛ばしながら目が笑っていない赤い魔王。こえぇー!!!
やっぱりこいつらに話したのは失敗だった。
何の解決にもなってないどころか、心に傷を負っただけだ。
「なになにー?きーちゃんの彼女の話?」
そこへ現れた桃色の天使!
我らがバスケ部マネージャー、情報収集を得意とする桃っちこそ、相談するに相応しい相手じゃないか!!