第1章 仲間はこういうやつらです
青い空。白い雲。
絶好のバスケ日和だ。
ん?体育館だから関係ない?気分の問題ね。
ボールの跳ねる音。バッシュの擦れる音。
「はぁ…」
そして、オレのため息。
「だーーーーっ!!マジうっぜぇ黄瀬ぇ!!」
「本当、うざいです。部活が始まってから何回目のため息ですか」
「なんか悩み事でもあんのーー??ウザいんだけど」
「これ見よがしに俺達にわかるようにため息をついていることなどわかっているのだよ」
「部活に支障が出るのは頂けないな、涼太。お前のくだらない悩みに付き合う時間が惜しいから10秒以内で話せ」
おわかり頂けただろうか?
上から青峰っち、黒子っち、紫原っち、緑間っち、赤司っち。
チームメイトからの冷たい言葉の数々。デフォルトでいつもこんなだから悲しくなる。
マジで濃すぎるキャラが集まったオレ含めこの6人は、キセキの世代(+α)と呼ばれ、バスケ界では有名人だ。
とはいえ、癖が強すぎて人としてどうかと思う連中ばかりだ。
バスケ以外のことでは全然頼りにはならないが、今は人を選んでいる場合ではない。
この非常事態!
一人では抱えきれない!!
「実はッスね…」
全然興味なさそうに欠伸をしたり頭を掻いていた連中が、オレが次に発した言葉に目を丸くした。
「俺の彼女が…浮気をしてるかもしれないッス!!」