第1章 仲間はこういうやつらです
「金井詩音ちゃん、名門私立女子中に通う15歳。サラサラロングのストレート髪、透き通るような白い肌、大きな瞳がチャーミングな、優しさに満ちた天使のような女の子、だっけ?」
「さすが桃っち!オレの彼女のことまでよくリサーチしてくれてるッス!しかも的確、その通りッス!!さながら某テニス漫画のデータマンみたいッス!」
「え、いや…きーちゃんが自分でそう言ってたんだけど…」
「やっぱり最初から桃っちに相談するべきだったッス。彼女がいないどころか恋愛もしたことのない男連中に話したところで、何も解決するわけなかったッス」
はぁ、と大袈裟にため息をつくと、男共の目がギラリと光ったような気がした。
「てんめぇ調子のってんじゃねーぞゴラァ!」
「イラっとしました。黄瀬くんごときに馬鹿にされるのは心外です」
「な〜んかムカつく…黄瀬ちん、ひねりつぶすよ?」
「そもそも、本当に桃井が言う通りだったとしたら、そんな出来た女子が浮気などするはずがないのだよ」
「あぁ、涼太の頭の中だけにいる彼女か。可哀想に、暑さでやられたんだね」
「詩音ちゃんはちゃんと存在するオレの可愛い彼女ッス!!」
そこでオレは、ハッとした。
そうか。
恋愛したことない云々の前に、
詩音ちゃんのことを何も知らない奴等に恋の相談をしたところで、意味はないのかもしれない。
彼女の人柄と、オレ達の愛の深さを知れば、返答は変わるはずだ!
だから少しだけ、彼女のことを皆に話そう。
「詩音ちゃんと初めて出会ったのは、今から3ヶ月前のことだったッス」
((((((なんかめんどくさいのが始まった…))))))
そう、あの日。
オレは、君に恋をしたんだ。