第9章 幼馴染からの脱出 9
大会議室
指定時間に新入生が集まると、在校生によるバンドの演奏会が始まった。パフォーマンス企画で涼介たちのバンドの演奏を聴いている新入生は多いが、それ以外のバンドは今回が初めての披露となる。
ジャズサークルのバンドは、人数も様々でボーカルあり・なしなど、合わせて数十組ある。
一番上手なバンドなのか、涼介のバンドがトリを務めていた。
美稀「やっぱり、涼介さんのバンドだけ飛び抜けてるよね。」
れな「そうだね。メンバーみんなが上手いね!」
幹事「これにて、在校生によるバンド演奏は終わりになります。この後は、新入生でやりたい楽器が決まっている人はこちらへ、まだ決めてない人はこちらへ集まって下さい。相談会を開きますので、遠慮なく先輩たちに相談して下さいね!」
美稀「有岡君って決まってるの?」
有岡「あぁ。ベースにしようかと思ってる。」
美稀「ベースって重いけど大丈夫?」
有岡「こう見えても男だぞ!そういう久枝こそ、決まったのかよ?!」
美稀「私はピアノだよ。ジャズは素人だけど、高校入るまでは一応ピアノ習ってたし。れなは、鉄琴だっけ?」
れな「涼介のオススメでね、鉄琴の一種の打楽器で、ヴィブラフォンっていうの。まだ、触った事ないんだけどさ(笑)」
有岡「三人でバンド組めたらいいよな〜!」
美稀「そうだね!この楽器だけでジャズ出来るのかな?!でも、先輩たちがメンバー調整してくれそうだよね。」
れな「うん。」
そう言いながら、三人はやりたい楽器が決まっている集まりの方へと向かった。
先輩「君たち三人は知り合い?もしかして三人で組むの?」
美稀「一緒に組めたらいいなぁと思ってますが、ピアノ、ベース、ヴィブラフォンでジャズ出来ますか?」
先輩「おぉ〜い〜ね〜!出来るよ〜!世界最高齢のゴールデンシニアトリオみたいだね!!」