第8章 幼馴染からの脱出 8
れな「んー、まずは女性には結構制約が多い。例えば、外出する時は髪の毛をスカーフで隠し、お尻の下まで隠れる羽織物をしなければならない。冬はいいけど、夏でも長袖の羽織物って辛くない?!しかも、頭のスカーフがこれまた滑ってすぐ取れちゃうの。外出中に何十回と直してたよ(笑)」
れな「あと、アジア人の中で中国人が多いし、アジア人の顔の見分けがつかないから、買い物いくたびに「チニ?(中国人?)」と聞かれて、「ジャポニ!(日本人!)」と返事してた。そして、動物園のごとく道行く人に注目されるのが慣れなかったかな。。。」
知念「やっぱり、平たい顔のアジア人は同じに見えるんだね(笑)」
れな「そうみたい。これは、涼介も思ったらしいけど、イラン人ってバカ?って思う事が多々あったの。日本人の常識では考えられないなって事で、「どうして今それするの?」とか、「あ〜そうしちゃうんだ。。。」っていう感じかな。でもそれは、お店の店員やタクシードライバーとかの一般市民に多くて、高級住宅街の月の家賃30万円くらいのアパートメントに住んでるようなお金持ちには感じた事がないかも。お金持ちは海外に沢山行ってるからかもしれないけどね。日本人の駐在員のお宅にお邪魔した時に、小学生の男の子が「イラン人は(頭の横でクルクルパーの動作)だから!」と言ってて、小学生に言われるって相当なんだなぁと思ったよ。日本人が理解出来ない事があると、「やっぱイランだね〜」と言うのが日本人あるある(笑)」
れな「あと、凄く乾燥してるから、行ってすぐに爪がボロボロになっちゃった。凄く欠けたとこは短く切ったから、見て!このいびつな爪。」
そう言って、両手を知念の方へ見せると。。。
知念「綺麗な爪がかわいそうだね。」
そう言いながら、れなの爪を良く見ようとしてか、れなの手を掴む知念。
れな「侑李君?!」
知念「あ、ごめん。つい持っちゃった(笑)」