第1章 幼馴染からの脱出 1
遠い親戚でもある幼馴染の涼介は現在大学生で、れなの家の隣の隣に住んでいる。
かなり遠い親戚になるため、れなと涼介の血縁関係は薄い。
ちなみに、嫁いできたれなの祖母は涼介と全く血は繋がっていない。
涼介の両親はすでに離婚しており、会社経営している母親と二人暮らしをしているが、海外出張が多くほとんど家にいないため、実質一人暮らし状態の涼介なので、ほぼ毎日れなの家で食事をしている。
こういう状況のため、それぞれお互いの家の鍵を持っている。
朝からこんな騒動がありながらも、いつものように三人で朝食を食べる。
二人とも徒歩圏内の大学と高校に通っているので、朝は結構のんびり。
「おばあちゃん、行ってきま〜す」
と、二人で家の門を出ると、そこにれなの同級生「有岡大貴」が待っていた。
れな「えっ!有岡君、どうしたの?」
涼介「誰?」
れな「あっ、生徒会で一緒の有岡大貴君」
涼介「へぇ〜」
と言いながら、面白くないという表情で有岡を見定めるように上から下まで見る涼介。
有岡「突然家まで来てごめんね!黒澤、昨日生徒会室にペンケース忘れてたから、今日のテスト困ると思って届けに来たんだ」
れな「そうだったんだ。わざわざありがとう。でも、学校で渡してくれても良かったのに?!」
有岡「んー、ちょっと黒澤と話したいことあったし。。。さ。。。」
と、ちらっと涼介の方を見る有岡。
れな「あっ、これは気にしないで!家族みたいなもんだから」
涼介「そっ!旦那でーす」
れな「なっ!!ちょっと!誤解させるような事言わないでよ!有岡君、違うからね!幼馴染の兄のようなものって意味だから!」
有岡「そ、そうなんだ!そうかなぁと思ってたんだ。ははは」
れな「もう!変な冗談言いすぎ!涼介のばか!!行こう、有岡君!」
と、頬を膨らましながら、ずんずんと大股で去っていくれな。
後を追って行こうとする有岡に向かって。。。
涼介「有岡君!れなは二次元しか興味ないから、無駄だよ」
そう言われ、ムッとしながらも軽く会釈して有岡はれなの後を追った。