第12章 幼馴染からの脱出 12
ぶーぶー独り言を言っている涼介をほっといて、浴衣を着物ハンガーへかけて帯を畳み終えたれなは、部屋を出ようとドアを開けながら、涼介の方へ振り向いた。
れな「涼介はもう帰ったら?私はお風呂入って寝るし」
そのまま階段を降りて、浴室へ向かった。
れな「ふー、今日はいままで見た事がない侑李君の表情見たなぁ。これから私どうしたらいいのかな〜。今度美稀に相談してみよっ!もしかして、イタリアに行ったら何か変わるかな?!」
そんな考え事をしながら、随分時間がたったのかお風呂の温度も冷めてきてしまっていた。
れな「もー出よっと」
浴室から出て体を拭き、パジャマに着替えようとカゴに手を伸ばすと何も入ってない。
れな「あっ!!着替え持ってくるの忘れちゃった。もぉ〜」
髪を乾かし、とりあえずバスタオルを体に巻いて部屋へと戻る。
部屋のドアを開けると、電気が消えていた。
れな「ん?!涼介はいないみたいだね。良かった」
間接照明のスイッチを押して、クローゼットを開き、バスタオルを外してパジャマを出す。
ガバッ!!
れな「きゃっ?!誰!!」
恐怖の中、ふとクローゼットの鏡に目をやると、後ろから抱きついてきたのは涼介だった!
れな「りょーすけ!!脅かさないでよ!」
涼介「びっくりさせようと待ってたけど、何で裸で戻ってくんだよ。さっきは我慢出来たけど、もう我慢出来ねぇ」