第1章 序章「異世界の海から」
何人かの話し声で、の意識が戻ってきた。
「あ…」
「おい、大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。ルフィさん」
「はい、お水。勝手に上がらせてもらったわよ」
「ありがとう、ナミさん」
「特に体に異常はねぇぞ!」
「診てくれたんですね、ありがとう。チョッパーさん」
「なんのなんの…」
声を揃えた三人。そして沈黙。
「…なんで俺(私)の名前知ってるんだああああ!?」
「お前らな…」
鼻の長い青年が呆れてため息をつく。
「そりゃ賞金首なんだから名前くらい知ってるだろ」
「…そうじゃ、ないんです」
「え?」
「あの、どうしてみなさんはここに?」
「ばっかだなー。航海してりゃ、島に着くだろ」
「違う…」
「なんだよさっきから。なにが違うんだ?」
「おいマリモ。睨んでんじゃねぇよ。こんな素敵なレディを」
緑色の髪の青年と、金髪の青年がにらみ合う。
「ここは…違う…違うんです!あなた方がここにいるはずない…どうして…」
は完全にパニックに陥っていた。皆は戸惑いつつも、気遣わしげに彼女を見る。
「…ごめんなさい。えっと、みなさんご飯は食べましたか?」
「食ってねぇ!!」
「じゃあ一緒に朝食いかがですか?すぐに作りますので」
「おっ。これは俺の出番か!?お嬢さん。舌がとろけるような美味しい料理をお作りいたしますよ」
「あ、いえ。大丈夫です。お疲れでしょうから、どうぞ、奥の居間で休んでいてください」
九人を奥のリビングに案内すると、は料理を始めた。こうしていれば、少しは落ち着くだろう。
「あのー」
「きゃあっ!ぶ、ブルックさん!」
「すみません。私死んでいるものですから、気配がなくて」
「いえいえ…それで、なにか?」
「パンツを見せてもらってもよろしいでしょうか?」
「おいこらブルックぅぅぅぅ!!!」
「私のでよければ…」
「でかしたブルック」
「冗談です」
「でーすよねぇ!!ほら、行くぞ」
金髪の青年がガイコツの男を連れて行く。
は料理を再開した。