第2章 第一章「ニホンの忌まわしき存在」
ただ唯一分かっているのは、怪物が現れるようになったのは、彼女---が生まれてまもなくしてだという事だ。
島の皆に彼女が疎まれている理由も、そこが大きい部分ではあるのだろう。
「あんな怪物が出たら、誰が一体退治してるわけ?」
「チョッパーの診断が正しいとすれば、恐らくもう一人の私が。あとは、怪物が自ら去る事もあります」
「じゃあなんで退治してくれるお前を周りは邪険に扱うんだよ?」
「そもそも、怪物が現れたのが私のせいだとされているからです。それを私が倒したところで、ただの一人芝居だとしか思われないのでしょう」
ルフィは納得の行かない様子で腕を組み、「うーん」と唸った。皆も同じく、が酷い扱いを受ける事を許せないらしい。
しかし、彼女は特に気にも留めない様子でドリンクを飲み干すと、窓の外を見た。
「でも、今はどうしようもないです。私なりに原因を探ってはいるのですが、どうにも…ご迷惑かもしれませんが」
「もちろん、協力するぜ!」
「俺もだ!」
「任せとけ!」
「悩んだときは歌いましょう!」
「…ふふ、皆さん、ありがとうございます」
午後、天気がいいのではサンジとルフィと洗濯物を干していた。
「ところでちゃん」
「はい?」
「街であれだけ疎まれてて、どうやって食事の材料やらなにやら買い物してるんだ?」
「そうだ!さっきも冷蔵庫パンパンだったぞ!」
「ルフィてめぇまたつまみ食いしたな」
「がいいって言った!」
ルフィがの肩に手を置き、味方につける。
決して言っていないのだが、特に問題があるわけではないので、何も言わない。
「私にも、謎でした」
「え?」
「気がついたら、日用品や食材が補充されているんです。でも、チョッパーのお陰でよく分かりました。きっともうひとりの私が揃えていてくれてたんだと思います」
「そういう事か…」
「なぁ、これも干していいのか?」
「あ、はい…はいっ!?」
ルフィの頭に、の下着が被られていた。下着類は先ほど別の場所で自分が干したはずだが、忘れ物があったらしい。はルフィの頭から下着をひったくると、顔を真っ赤にした。
「こ、これは私がやります!」
「ははは、顔真っ赤だぞ!」
「てめぇ!レディになんて仕打ちを!」