第2章 第一章「ニホンの忌まわしき存在」
次の瞬間だ。
とんでもない轟音と、咆哮が蔓延した。何事か、と皆が見ると、窓の向こう、海の上に大きな翼を持ったドラゴンに似た生物が空を旋回している。
「きゃあああああ!!!ななな、なによあれ!」
「来た…」
「おおおおおおい、あれ、ドラゴンか!?なんでこんなところに!!」
「みなさん落ち着いてください。とりあえず対怪物用闘技場へ!」
はベッドから勢いよく出るが、またしても頭痛に襲われる。だが、今はこれは好都合だ。
九人も急いで彼女の後を追った。
十人が向かった先は、周りになにもないドームのようなものだった。ここが、「対怪物用闘技場」。
この島に怪物が現れるようになってから造られた場所だ。
「さっきぶりだね。悪いけど、君たちの出る幕はないよ。僕が片付ける」
「ふざけんな。俺たちにもやらせろ」
「そうだそうだー!」
「ふぅ。まぁ好きにしてよ。でも、足でまといにはならないでくれよ」
ドラゴンが闘技場に上陸する。大きさは相当なものだ。巨人族のブロギーとドリーには負けるが。
「こいつなんなの!?」
「見ての通り、ドラゴンだよ。この島にはね、この子が生まれてまもなくしてこういう怪物が出現するようになったんだ」
「私も加勢するわ」
「お、俺もっ、俺はっ…俺も…俺はぁぁぁ」
「…ウソップ君、隠れてるといいよ…」
ドラゴンがこちらに向かって走ってくる。は高く跳躍し、ドラゴンの眉間に一発強烈なパンチをお見舞いした。
体勢を崩したドラゴンに攻撃するのは、続いてルフィだ。
「ゴムゴムのーーーー銃乱打!!」
ゾロも続く。
「阿修羅弌霧銀!!!」
とどめはそれだった。
ドラゴンはあっという間に倒れ、光の粉となって姿を消した。
「なんだ、あっけねぇ」
「ひゅー。二人共想像以上だ。お疲れ様」
「準備運動にもなんねぇなぁ、これじゃ」
「まぁ、こいつはレベルの弱い方さ」
「あら、私たちは見学で終わりみたいね」
「ざざ、残念極まりねぇなっ!!」
「ウソップ君、膝の震えが極まりないよ」
屋敷に再び戻り、も元の彼女に戻っていた。
居間でサンジ特製ドリンクを飲みながら、が説明する。
今回はドラゴンであったが、この島に現れる怪物は種類、強さ、大きさがバラバラだ。畑を荒らすもの、海を荒らすもの、様々いるが、目的は分かっていない。