第2章 第一章「ニホンの忌まわしき存在」
サンジの作った料理を初めて食べたは、その美味さに感動した。こんなに美味しいものを食べるのは初めてかもしれない。
そう伝えると、サンジは目をハートにして、「光栄ですぅ!」と叫び、ゾロに呆れられていた。
「ところで、にお願いがあるのだけれど」
「なんですか?」
「この島を案内してくれない?」
「えっ…」
明らかにの顔が引きつったのを見て、皆が動きを止めた。
は頷きたいが、頷けない。それは、とても叶わない事だと、本人はよく知っている。
「無理に、とは言わないのよ?勝手にまわるから」
「い、いえ!あの、変装してもよければ、ご案内します」
「…そう、ありがとう」
ロビンは腑に落ちない部分もあったようだが、変装する理由については深く追及しなかった。
果たして、朝食の後に皆を案内する事に決まった。
「では、行きましょうか」
「……」
「どうかしました?」
「いや、変装っつってもよ…ほかになかったのか…?」
ゾロの呆れ声に皆が頷く。
の格好は唐草模様の緑の風呂敷を頭に巻き、派手なサングラスをかけ、マスクをし、服装は何故かセーラー服だ。
「えっ、おかしいですか?」
「おかしすぎるわよ」
「はっはっは!お前おもしれぇな!」
ナミが着替えさせてくれ、まともな変装に成功したたちは、やっと屋敷から出た。
ニホンはそこまで大きな島ではないが、決して小さい島でもない。
一日で案内するのは不可能なので、それぞれがよく利用する
事になるであろうところの案内をする事にした。
食材が売っているスーパーマーケット、トレーニングジム、医療器具専門店、武器屋など、ニホンには特有の店がたくさんある。
九人は行くところ行くところ全てに興味津々だ。
クレープを買って、皆で一休みしている時に、は気付いた。こんなに笑って街を歩いたのは、もう十年以上も前だ。
そんな時、子供の声が轟いた。
「あー!!呪われたお姉ちゃんだ!!」
「なに!?」
「本当だ!貴様、よくものこのことこの街に来られたものだな!!おい、みんなやれ!」
男性の怒号が響き、街の賑やかな雰囲気は一変、穏やかでないものになった。
「みんな逃げて!」
「!!」
泉が頭痛を感じた時、彼女の意識は途切れた。