第2章 第一章「ニホンの忌まわしき存在」
「にしても、でっけぇ屋敷だなぁ、ここは」
「そうですね」
「ずっとここに一人で住んでんのか?」
「ええ、もう十三年になります」
「そうか…ま、深くは詮索しねぇよ。じゃ、俺はトレーニングしてくる」
「はい、お気をつけて」
また、ぽん、と頭を叩いてゾロが外に出て行った。
は叩かれた頭に触れると、あふれ出る微笑みを禁じえなかった。すると、今度は騒がしい音がする。
「ちゃぁん!」
「サンジさん、おはようございます」
「おはよう!朝飯作ろうかと思ってな」
「そんな、私がやりますよ」
「いいんだいいんだ。俺はコックだからな。料理しねぇと落ちつかねぇんだ。キッチンとか、案内してもらってもいいか?」
「もちろん」
そう言って、キッチンへ案内した。
そこは大きく、広い。コンロも四つあり、冷蔵庫もまるで業務用かのように大きいものだ。調理器具も充分に揃っている。
サンジはそれを見て感激し、「最高だ!」と叫んだ。
そういえば…とはふと冷蔵庫を開けた。そして、顔を曇らせる。
「どうした?ちゃん」
「いえ、なんでも!」
「お、材料もバッチリだな!よっしゃ、作るかー」
「手伝える事があったら、なんでも言ってくださいね」
「おう!ありがとな!」
サンジが腕をふるっている間、はまたバルコニーに出て、置いてあるロッキングチェアーに腰かけた。
すると、隣に置いてある椅子も揺れた。
「チョッパーさん、おはようございます」
「おはよー。チョッパーでいいぞ。あと敬語もなしだ」
「…チョッパー」
「へへっ、なんだ?」
「か、可愛いー…」
その笑顔とフォルムについときめいたはチョッパーをぎゅっと抱きしめていた。
「なんだよーやめろー!はははっ」
「こんなに可愛いのに、立派な船医だなんて、すごい」
「な、なんだよ、うれしくねぇぞ、この野郎!」
ものすごく嬉しそうに、チョッパーは笑顔で怒鳴る。
それがまた可愛らしくて、はしばらくチョッパーとのひと時を楽しんだ。
バルコニーにまでいい匂いがしてきたところで、他の全員も一階に下りてきた。
「皆さん、おはようございます」
「おはよう」
「すっげーふかふかのベッドで寝やすかったぞ!」
「あぁ。俺様のサイズにもぴったりだ!」
「それはよかったです」